人は元来、自給自足で、あるいは小さな集団が共同作業で食物を得る生活を営んでいた。近代になり、産業都市化が進むと職の分化が進み、食の生産者と消費者という関係の構造を生み出した。食産業の台頭である。
食の文化に営利追求の企業の理念が萌芽したとき、本来のスローフーズの意味は速度を増してその方向を変えた。
自分と、愛する家族のための糧。それを、離れた知らない人のために生産し、遠くへ送るには、大型トラックと保冷車が必要になった。
流通の効率を図るべく、傷みにくく壊れない、輸送効率のいい空気含有率の少ない(たとえば真っ直ぐな)野菜ばかりが重宝される。病的なまでに清潔を好む消費者は、化学肥料、農薬の使用を良しとしてきた。 今日、それらのすべてがスローな価値感に転化している。
自然豊かな太陽の光も十分に降り注ぐ環境で、まずは身近な地元の人のためにものづくり。そして200km先の首都圏の皆様へ環境保全循環型で栽培される農作物を届けることに努める。